万里の先、心は帰る場所を知る
ことわざにもあるとおり、「万巻の書を読み、万里の道を行く」。
何しろ、一万里の道を行った者だけが、一万里の俗塵を身にまとうのだ。
苦難を船とし、涙を帆とし、心は弦を離れた矢のよう。
天に涯てなし、海に岸なしと言うなかれ。たとえ帰り道が万載を要しようとも。
大海を経る日を待ち、悲歓を閲し尽くす日を待ち、心はようやく倦みて帰るを知る。
現実の世界でこそ存分に馬を飛ばし、春夏を踏み巡ってこそ、真の純朴が現れ、華やかさに別れを告げられる。
異国での留学生活が私に与えてくれたのは、ただ一枚の卒業証書ではなく、暮らしへの憧れ、人生への思索、そして世界のどこに置かれても生きていける勇気と力だった。
もしもう一度選ぶ機会が与えられても、私はやはり迷うことなく外へ出ていく。ただ、この広大で多様な世界をこの目で見届けるために。